洋食にはアラキドン酸が多い?
日本で古くから食べられている魚などを使った和食よりも、西洋風の食事の方が栄養素にアラキドン酸が多く含まれていると言われています。
洋風の食事の中でどのような食材を使った食事にアラキドン酸が含まれていて、食生活によって違いがあるのでしょうか。
アラキドン酸は体内でほとんど作ることができない物質である必須脂肪酸の一種です。
リノール酸という物質を含む食品を食べると代謝というはたらきによってγリノレン酸という物質に合成され、さらにアラキドン酸に変化していきます。
アラキドン酸はそのため身体にとって重要な物質のひとつです。
身体中の細胞を覆っている細胞膜という部分に存在し、細胞を保つというはたらきがあります。
皮膚を健康的に保つはたらきや、脳が物事の記憶をしたり思考したりするために欠かせない脳に神経細胞同士の信号の伝達に大きく関わっています。
またケガをして出血をした時など、傷口に血小板が固まって止血をするというはたらきもあります。
特に数年で急成長する赤ちゃんの脳にとっても大切な物質であるだけでなく、高齢者の脳のはたらきを維持するために大きな影響があることが最近の研究によって報告され注目を集めています。
アラキドン酸の元となる物質のリノール酸は、肉類やレバーなどの動物性食品に多く含まれています。
牛肉や豚肉やレバーや卵などを主食とし、さらにバターなどの動物性油脂を使った調理方法で作られた食事が多いヨーロッパやアメリカでの食事にはリノール酸が多く含まれています。
日本では古くから魚や植物性油脂を使った食事を摂っていましたが、近年は食生活が大きく変わってきており肉類を主に食べる洋食を中心とした食生活を送る人も増えてきました。
調査によると日本人のアラキドン酸の摂取量は、高度成長期以前だった50年前と比べると4倍以上となっていると言われています。
そのため通常の食生活を送る分には不足することはあまりなくなってきています。